nora

tomo | Graphic designer, Illustrator | デザイン、イラストのお仕事をしています。日頃のたわいない独り言をつぶやいていきたいと思います。

あ。そうだ、便乗して直島いこう。①




春のある週末。

アートを全身で感じにいってきました。
友人がずっと行きたかったけど
行けていなかった、念願の直島へ。


f:id:ROKIT:20170421172422j:plain



直島の存在すら知らなかった私は
友人からのプレゼンを経て
その想いに便乗することに。


実はこの度、この旅では、
涙なしには語れないほど
天気に恵まれない友人と、
雨女の私に一抹の不安があったため

旅行前に2人で
高円寺にある唯一の気象神社
お参りにいってきました。

その願いが叶ったのか
ありがたいことに全日終日、
見事な快晴。

本当にありがとうございました。


直島、
瀬戸内海に浮かぶ、アートの島。
何が待ち受けているだろう。
どんな景色が、みえるだろう。

まずは高松に着くやいなや、
一先ず、うどんっしょ!!
と、直島上陸前にうどんを拝みに。


まずは、「さか枝」
セルフのうどん屋さん。
いきなりセルフで焦る私たち。
焦った友人は
ちくわの天ぷらが食べたかったのに
なぜかでっかいアナゴの天ぷらを取る。
なぜアナゴ!!しかもかなり大きい!
それなのに
そんな友人をフォローすることなく
焦りつつも当然のように
卵の天ぷら頼む私。

更に、うどん巡りするのに
何も考えず、中盛りを注文。

一発目のボリューム半端ない。


f:id:ROKIT:20170421110827j:plain



優しい味で、お出汁もおいしい。
金時豆の天ぷら、おいしかった!

地元の人が多くて
ずっと愛されてるんだろうなぁと
感じるお店でした。

何より安い。
安くてこのボリューム!

ふたりともお腹いっぱい。
一杯目で。

ごちそうさまでした!



2軒目、「竹清」本店。
なんか、なんか知ってるなぁ…

と、思ったら、
何年か前に来てました、私。
えへへ

でも、ここのたまごの天ぷらは
とてもとても良かったのを
すごく覚えているので
また来たかったから、嬉しい!
とろり具合が丁度良いのだ。

ラーメン屋さんでも
必ず味付け卵を注文し、
自分好みに出会った時
地味に地味に1人喜んでいるので、

卵に関しては
竹清きた時も地味に至福かみしめてた。
それ、今日も感じられる。

やっぱりたまごの天ぷらを。
友人はここで、ちくわ天ぷらリベンジ。
こちらもセルフ。


f:id:ROKIT:20170421113946j:plain




天ぷらが出来だちでサクサク。あったかい。
ワカメ、レモン、揚げ玉のせて。

前に来たときは外まで大行列で
ゆっくり食べる感じではなかったけど
この日はおばちゃんが余裕あるって言って
いろいろ教えてくれました。

おいしくいただきました!
ごちそうさまでした。


まず初日は、2軒にて出発。
お腹もはちきれそうだし、
フェリーの時間もあるので、
フェリー乗り場へ。

(香川でうどん食べ歩きジタバタ日記は
この直島旅ブログの最終日につづく。)


途中でちょっと寄り道して
可愛い雑貨屋さんを見ていたら

やっぱり時間なくなってきて

最終的に
うどん鼻から出るんじゃってくらい
走った。

ちょっと出てたとおもう。
まあまあ出ててもおかしくない走りを
してたとおもう。


ま、間に合った。
ほんと、あんな風に走ることは
今後したくない。
て、くらい、走った。
私はタイムキーパーには向いてない。
やはり直感でしか生きていない。
と、ひたすら思った。
友よ、こんなに走らせてすまん。


さあ、汗を拭いて、
ほんとはメロンソーダのみたかったけど
取り急ぎコーラのんで、
日焼け止めぬりなおして、

いざ、

めざすは、



直島へ!







到    着!


f:id:ROKIT:20170421132843j:plain




すわーーーー ん






       のどか。


あんなに鼻からうどん出しながら
髪振り乱して走っていたのが
うそみたい。
夢みたい。



なんと、のどかで、
しずか。



直島。



念願だった友人は感動している。

ゆったりと流れている時間。


沖縄の感じともちがう。
直島、独特の。

ついたーー


まず、
初日のプラン進行のため、
港近くの予約していた
レンタサイクルでお話を聞いて

宿へ荷物を置きに。

小さな路地をはいるところで

I♡湯



f:id:ROKIT:20170422145133j:plain




銭湯である。


f:id:ROKIT:20170512021232j:plain




か、かわいいい
なんやこれ
なんやのこれ


f:id:ROKIT:20170421134022j:plain



こんな作品が普通に建ってるの?
この銭湯に毎晩入れるの?


f:id:ROKIT:20170421134033j:plain



な、直島って、


なんなの!!!




アートの島。
こういうことか…

なんだかわからないが
自分なりに納得できる着地点を模索。

興奮冷めやらぬまま、
宿へむかう路地へはいる。


f:id:ROKIT:20170421134105j:plain



しかし、路地もまた
すべてがかわいい。


え。
住んでいるの?
ここに人が居住しているの?

そう。
島全体から醸し出す
お洒落なアート感。

しかも、
さりげなく、ナチュラルに、
日常にとけこんでいる故に
それが日常であるが故に
だからこそ
とても特別で繊細でお洒落に感じる。

昔からの日本のものを
大切に大切にして
それらをこわすことなく
愛されて今まできたのを感じる。

なのに、先鋭的というか、新しい。
そう、お洒落。

この後に島をまわって更に強く感じるが

島に感じる、土地に根付いた
昔からそこにある日常や人の繋がり。
あたたかさ。人の優しさ。気さくさ。
なつかしい日本の田舎の風景。
時間の流れを感じる古き建物たち。
と共に、

抽象的というか
先進的というか
無機質というか
時間を感じさせないような
斬新なアートが自然にそこかしこに
共存している。

全く違うものなんだけど
すごくそれが自然に一緒になった島。
ありふれた日常の中に、
非日常なオブジェが自然にたたずんでいる。

不思議な感覚。
それをかんじる。
日常だけど、非日常の部分。


f:id:ROKIT:20170423064148j:plain



宿はこちら。星屑さん。
かわいい古民家

三部屋をシェアするかたちです。
我々は屋根裏のお部屋に
通していただきました。

オーナーさんも気さくで
とっても良い方◎


直島にはもはや海外からの
観光客の方が多いのでは!
というほど。

この日も星屑には
海外の方がお泊まりのようでした。
たしかに、
これほど和を感じる古民家ならば
ぜひともオススメしたい。


お部屋にも興奮しつつ、
さあさ、時間を有効につかうため
さっそくサイクリングをしにいこう。

直島よ。
更に何を見せてくれるのだ。

ここで、レンタサイクルは
電動にして大正解。

のちのちわかるのですが、
とっても楽チンだし、
なにより、坂道でのありがたみ。
神。

電動でなければ
私たちの足じゃプラン決行
できなかったとおもう。

感謝。



今日は、本村地区へ向かい、
家プロジェクトを巡ります。
い、家プロジェクト!

なんだ家プロジェクト!

最初に耳にしたときは
不思議で仕方なかったけれど、

家自体が作品になっているらしいのです。
それらをまわるのです。
すてき。


家プロジェクトはぜんぶで7軒。
角屋、南寺、きんざ、護王神社
石橋、碁会所、はいしゃ。


※ きんざはネットで事前予約が必要。
※ 南寺は当日、先に整理券をもらっておく
とのこと。
(時間とか閉まるの早かったりするので
事前に要チェックしとくべし)

最初に本村ラウンジ&アーカイブ
共通チケットを購入して、いざ。
(共通チケットは、きんざを除く6軒分)
(きんざは予約済みと告げて別途購入)

ドキドキ。
ドキドキ。


ワクワクが止まらない。

まずもう、家プロジェクト付近の
このあたりの建物自体、
日本の古き良き建物がそのままで、
そこにクスッと笑ってしまう
アートがさりげなくなされてる。


f:id:ROKIT:20170421153019j:plain



大人のウォークラリーというか。
歩いて見て、小さな何かを発見して
心がほっこり癒される。


f:id:ROKIT:20170421153149j:plain



そして、それぞれのお家の前の、
色とりどりの、のれん。
風にゆれて、各お家の色がみえる。


f:id:ROKIT:20170525200111j:plain



またなにより、
直島に住む人たちの優しさや
あたたかさに触れて癒される。


f:id:ROKIT:20170421145314j:plain



歩いているだけで発見が楽しいのだ。

f:id:ROKIT:20170421153204j:plain





さて、

まずは「角屋」

200年ほど経った家屋を復元。
日本の古き良きをかんじる。
そこから中へ入ると。

一面の水とLEDライトと、数字。

足場と水面の境目もよく見えず
静かにゆっくりと歩いてみる。

きれい。
そして不思議な空間。

Sea of Time... 

自分の頭の中を色々な解釈がよぎる。
意味を求めようとする自分と
ただただ感じようとする自分。


つぎに、「きんざ」へ

ここは事前予約していた時間に
15分ごと、ひとりずつ。

引き戸をズズッとあけて、
薄暗い、ひんやりとした、中へ。

触れていけないのと、
あまり近づいてはいけないので
まずは全体を見渡して
おそるおそる目をこらしてみる。
細部をみてみる。
よーくみてみる。上から下まで。

よくみると、あ。と、きづいたり。


でも、静寂の中、
不思議な目の前のものと
不思議なまわりの繊細なものと
そのコントラストとかを
ぼんやり見て座っていると

あぁ、
見落としがちなものが
実はたくさんあるんだなとか思ったり

何かコタエを見つけようと
やっきになるのは違うんだろうなとか

いろいろ自分を見つめ直したりした。


するといつの間にか
15分たっていた。

不思議な時間だった。
いろんなこと考えた。



そのつぎは、「碁会所」

島の人たちがここで碁をしに
集まっていたと言われる場所。

え?ここ?というほど
細い壁の間を抜け、

椿。

椿の木を中央に、
対称的な部屋がふたつ。

椿が落ちてるのと、
なにもないのと。

椿が、ぽとぽと。
かわいい。
と、共に、
本物ではない椿たち。
不変的なものを感じた。

もうひとつのガランとした部屋。
椿があるのと、無いの違い。

だけど、どちらも
時が止まってるのを感じ、

時を刻むのは
中央の椿の木のみ。

何かが見えそうで見えない。
うーん、
その先をしりたくなる。



さあ、つぎへ。
どこにあるんだろう?


こっちかな


こっちかな、
と歩いていると、
景色の綺麗な場所へ。

その先にあった、護王神社

計算されつくしたような
綺麗な本殿と、敷石と、
そこにズン、ズン、と地から出る
ガラス?の階段。


f:id:ROKIT:20170421154539j:plain



とてもかっこよかった。
潔くて。透明で。

ガラスの階段は地下にまで続いていて
雨水が下へ流れたまっていた。
ひんやり。
暗くて静かな狭い空間から
地上へのびるガラスの階段。
外の陽に照らされて綺麗だった。

時間を急いでいた中だったけど、
とても印象的だったのを覚えています。

護王神社から南寺へ行く道がわからなくて
アタフタしていたら、
島のおじちゃんが教えてくれて
とても優しかった。
ありがとう。

整理券の時間に間に合うよう
早足で南寺へ急ぐ。

間に合っだ!


「南寺」
安藤忠雄さん設計、
翌日に行く美術館にも作品が出されている
ジェームズ・タレルさんの作品。

グループごとに、中へ。

おそるべき、闇。
これほどの、闇。

なるほど、これは
中で自分で感じることとしましょう。

自分で感じるふしぎなじかん。


海に出て、そこを曲がって
かわいい路地を自転車でいったところに、
「石橋」


f:id:ROKIT:20170421162409j:plain



明治時代に住まわれていた、家。
当時、ここで実際に過ごしていたとは。

日本家屋の素敵を感じた。
日本は世界でも
家の小ささを皮肉られることが多いけど
この美しさ。誇り高い。


f:id:ROKIT:20170421163957j:plain



この近くにある小さなお店たちも
とてもかわいかった。
直島に惚れ込んだ人たちが
ここに住み
お店を始めたりしたのかもしれないな。


f:id:ROKIT:20170421163005j:plain



この、不思議な感覚。
ここに惚れちゃうの、わかるなあ。


f:id:ROKIT:20170421163515j:plain



もうひとつの家プロジェクト
「はいしゃ」
は、明日またやって来よう、
島を逆の道からまわって戻ろうと、
友人と自転車を走らせる。

道に迷うと
島の人たちが優しく教えてくれる。
ほっこり。
ありがとう◎

さあ、海沿いを走る。
なんて気持ちいい。

なんて気持ちいい。

陽射し、風、海のにおい。
心地よい。


f:id:ROKIT:20170527194257j:plain


なんかナウシカ王蟲みたいのが
あった。



坂の途中でパン屋さん。
パン屋、トコリ。
せっかくだから行ってみようと
自転車をとめ、中へ。
かわいい古民家のパン屋さん。

ひとつひとつ丁寧に大切に
作られてるのがわかる。
絵本に出てくるようなパン屋さん。

お店ひとつ、すべてがかわいい。

本が好きな友人は
並べられた本にも興味津々。

2種類のパンをひとつずつ買って
お店をあとにする。
坂道を電動自転車で悠々と登り
島の向こう側へ。
美術館がある方へ。

そして、そう。

草間彌生さんの。


f:id:ROKIT:20170421173540j:plain




カボチャ。



f:id:ROKIT:20170527132431j:plain



みんなカボチャ待ち。

友人と、海を見ながら
人が去るのを待ちながら
ゆっくりゆったりと
足ぶらぶらさせて過ごす。

ほんとすてきな場所だなぁ。
友よありがとう。

海をぼーっとみていると
時間を忘れてずっと居られる。

なかなか人が過ぎ去る気配もないので
カボチャ前でパシャり。

写真撮ってくれた
女の子たちもかわいくて優しかった。
ありがとう。

さあ、ここからが夜の。
ディナーにむけて、
いったん宿へ向かうのである。

明日プランの美術館たちをぬけて
坂道を登っておりて。

こりゃ絶対に
電動じゃなきゃむりじゃけん。
電動ってステキ!
なんて楽チン!

ふたりして、カナダのサイクリング
思い出す。

坂のてっぺんで
それは見事な夕日をみる。
ついふたりで自転車をおりる。


f:id:ROKIT:20170421174854j:plain


   

こんな素晴らしい景色が
毎日見られたら
なんと贅沢なことか…

友も隣で感動している。


f:id:ROKIT:20170421175813j:plain


坂道すわわーん



ディナーには、
宿のオーナーさんがオススメしてくれた
イタリアンレストラン
イル・マーレ・インテルノ・ディ瀬戸

車で連れて行ってくれた。
ありがたや〜〜


とってもすてきなレストラン。
ニャンコもやってくる。

猫好きの友人にはたまらない。
猫に反応しまくる友人。
猫なんじゃないかってくらい
猫がくると猫に反応する。


f:id:ROKIT:20170421182538j:plain



いやしかしこれは可愛い。
ね、猫ってこんなふうに
水をのむの!?

ここの店主の方も
どうやら猫好きみたいです◎


さて、
こちらは完全予約制。
そりゃもう。
テーブルの上にオシャレに並べられた
瀬戸内海のおいしい料理が。

素材の味がしみる。

せっかくなので
白ワインをいただく。



f:id:ROKIT:20170421183331j:plain




ぜひともみなさん
予約を忘れずにきてください。
とてもとってもおいしい
コースをいただけます!

食事中、何組も海外からの
お客さんがやってきたけど
残念ながら予約していなかったみたいで、
感激しながら食している
我々ふたりを見ながら
無念にも帰られていた…
せっかく来たのに
食べられないのはもったいなかったので…

Don't forget to make a reservation 
before you go to have a dinner at
RISTORANTE il MARE INTERNO di Seto,
superb Italian restaurant, in Naoshima!
They'll serve you a great full-course 
Italian meal. 
So tasty! Awesome! 

Enjoy your meal! 




と、こんな閉鎖的な私のブログから
無意味に世界へ呼びかけてみる。
まちがちってるかもだけど
通じりゃなんでもいい。





日本語をまちがちっていた。

ぜひ予約をーー・・   ・

と、こんなすてきなディナーを楽しみ
旬の食材、島の食材を舌で感じることが
できました。


f:id:ROKIT:20170512015305j:plain



たらふく満腹になったところで
夜は、あの、芸術的な、
I ♡ 湯へ。

銭湯だいすきなわたしたち。
ゆったり身体の芯まであったまって
ゆっくりと。

お風呂の中までとっても
不思議なワールド。

男湯と女湯の真ん中には
おっきな象のオブジェ。
蛇口のハンドルは全て一個ずつちがう
かわいい作品になってる。

お風呂の浴槽も、壁の文字も。
独特の世界観。
外観はもちろん、中まで。

気持ちよく疲れをとり、


こうしてたくさんの刺激を受けた
1日がおわっていくのでした。

星屑の屋根裏の居心地の良さといったら。
小さな階段をあがって、秘密基地のよう。

明日もたのしみ。
今日は1日ありがとう◎

おやすみなさい。